ミックスボイスに続いてはこちらも高難度の技術である”ビブラート”について書いていきます。皆さんカラオケで歌われる際にビブラートを意識することはありますでしょうか?

最近のカラオケではビブラートが採点項目の1つになっていたりするので、得点を上げる目的で試してみることもあるでしょう。でもビブラート無しでも上手い人はいくらでもいますよね。プロでも松任谷由実がノン・ビブラートで歌うことはよく知られていますし、B'zの稲葉浩志もロングトーンの後ふっと裏声に抜いていくことが多く殆どビブラートは使っていません。

またビブラートというと演歌のコブシがイメージされて、何か古臭い印象があったりもします。となると”ビブラートって難しそうだし、楽しく歌えればいいや”と敬遠されてしまいがちで、事実歌屋のところでも自分から”ビブラートに挑戦したい”という生徒さんは殆どおらず、こちらから持ちかけても尻込みされる方が多いです。

ということで、ビブラートはなくてOKです・・・となると話が終わってしまいますね。でもちょっと待ってください。やはり歌う上でビブラートは重要で、それが必要なのには理由があるのです。

皆さんTVなどでオーケストラの演奏をご覧なった際、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロ、コントラバスといった弦楽器の演奏者が、ロングトーンの後半で弦を押さえている手をせわしなく動かしているのを見たことがあるでしょう。これは他でもない、ビブラートをかけるために行っている動作です。

また金管・木管楽器においても、その技法は異なれどやはりビブラートをかけることが多いです。これに対し、ビブラートをかけない代表的な楽器が”ピアノ”です。なぜピアノはビブラートをかけないのでしょうか。

正解は”かけられないから”・・・ではなくて、”和音を出す楽器だから”です。上でビブラートをかける楽器として上げたのは、基本的に”単音を出す楽器”です。単音でロングトーンを奏でる場合ビブラート無しでは味気なく、やはり心地良く感じられるのはビブラートがかかった音なのです。

和音・単音どちらも使うギターをみるとよくわかりますが、単音でリードを弾く場合はビブラートをかけ、コードを弾くときは特殊な場合を除きノン・ビブラートですね。

もうお分かりの通り、”人の声も単音なのでビブラートが必要”、ということなのです。大分前置きが長くなってしまいました。。。次回もまたビブラートについて書いていきます。

歌屋ボーカルスクール
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