今回はビブラートの種類について書いていきます。一口にビブラートと言っても演歌・ポップス・クラシックといったジャンルによって異なりますし、同じジャンルでもそれぞれの歌い手によって微妙に違い、それがその歌手の個性になっていたりもします。

まずビブラートの種類を考えるにあたり、そのかけ方によって分類してみたいと思います。

1. 横隔膜を揺らすことでかけるビブラート
クラシック系のゆったりとしたビブラートはこれで、柔らかくかつ安定感があります。”千の風になって”秋川雅史が歌っているところを見ると、ビブラートをかけている箇所でも喉仏はほとんど動いていません。これはこの横隔膜を使ったビブラートだからです。

2. 喉を揺らしてかけるビブラート
多くの演歌やポップスの歌手が使うビブラートです。音の揺れ幅・周期を変化させやすいので、使い方によってはっきりとかけたり、ほとんどかかっていないかのように自然にかけたりすることが可能です。

3. 顎、頭などを揺らしてかけるビブラート
あまりよいかけ方ではないと言われることもありますが、プロでもこのかけ方で歌う人もいます。矢沢永吉GLAYTERUなどにこのかけ方を見ることができます。

4. 声を震わせるようにかけるビブラート
こちらも”チリメンビブラート””ビブラートでなくトレモロ”などと言われ、よくないかけ方だと言われたりします。でも”宇多田ヒカル”はこのかけ方で、より切ない感じが表現されています。ものまねの”ミラクルひかる”が宇多田ヒカルのものまねをする際、このビブラートを強調していますね。

ちなみにここで言う”トレモロ”とは、ビブラートが音程を変化させるのに対して、音量を変化させることで音に揺れを作りビブラートと同様の効果を得るものです。キーボードなどで1つの音を出し、ボリュームの大小を素早く行うとこのトレモロ効果が得られます。

では次回またビブラートについて書いていきます。

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