今回はビブラートの最終回ということで、これまで説明してきたことをまとめます。

まず1回目でビブラートの必要性について”人間の声は単音なのでロングトーンを心地良く奏でるにはビブラートが必要”と書きました。歌の中でロングトーンはフレーズの最後、つまり語尾に来ることが多く、ここでのビブラートは語尾の処理の一方法と捉えることもできます。

以前こちらで語尾の処理の大切さについて書きました。語尾を丁寧に処理して次のフレーズにつなぐために、ビブラートは有効な手段となります。逆に言えば、他の手段で語尾が適切に処理されるならビブラートをかける必要はないことになります。

2回目でビブラートの種類について説明しました。横隔膜を揺らしてかけるのが正しいビブラート(自然にかかるののみが正しいという人も!)であとは邪道みたいに言われたりもしますが、実際他のかけ方もよく使われています。

またここでは4種類のかけ方について書きましたが、必ずしも4つが明確に別れているわけではなく、横隔膜+喉を揺らしたり、顎+喉でかけたりと合わせ技みたいなかけ方をする人もいます。

3,4回目では実際にビブラートをかけるためのポイントと練習方法について書きました。あえて乱暴な言い方をすれば、何らかの方法で音を揺らせばビブラートになる、くらいのつもりでいろいろと試してみていただきたいと思います。

ある演歌の大物歌手はビブラートをかけられるようになるために、でこぼこ道を自転車に乗って走りながら歌い音を揺らす練習をしたそうです。ホントか嘘かは?ですが、音を揺らす感覚を掴むにはありかもしれません。

一点注意事項として、ビブラートをかけられる人でなんでもかんでもビブラートがかかってしまうのはNGです。自分の意思でかける・かけないを使い分けられるよう、ノンビブラートのロングトーンもしっかり出せるようにしておいてください。

ということで、最初はなんちゃってビブラートでOK、皆さん楽しみながらビブラートにチャレンジしてみてください。

歌屋ボーカルスクール
♪Singing songs changes your world.