これまで歌うまのコラムでは主に歌を上手く歌うための技術的な面について書いてきましたが、今回は少し精神的な面を書いてみます。

”守破離”という言葉を聞いたことがありますでしょうか?出典はよくわかりませんが、古くから武道を始め多くの稽古を重ねてその道を極めていくような芸事、習い事の心得として使われてきた言葉です。

歌もただ楽しんで歌うというももちろんありですが、これを一つの極めるべき道・芸として捉えたとき、この”守破離”が修行の一道しるべとなります。

”守破離”は守・破・離の3つからなり、それぞれ一つの道を極めていくにあたっての段階、習熟のレベルにおける心得を示します。

まず”守”ですが、これは読んで字の如く”守る”の意で、修行の初期段階においては師の言いつけを守り、基本に忠実にそれを身につける、というものです。

歌においては基本の発声練習などはまさにこれに当たるでしょう。音程は揺れたりしゃくったりせずピンポイントでど真ん中を突いているか、リズムはブレずに乗れているか、発声は常に腹式で響きはあるか、といったところがきちんとできることが重要です。

また好きな歌手の歌い方をそのまま忠実に真似てみるというのもよいでしょう。100%モノマネをする必要はありませんが、その歌手の声の出し方から、ブレス、表情、身体の使い方に至るまで、しっかり観察してそれを取り入れてみるのは自身の歌の上達にとても役立つはずです。

今日は”守破離”の”守”ついて書きました。次回は”破”についてです。

歌屋ボーカルスクール
♪Singing songs changes your world.