このビートルズ歌唱法シリーズの最初に、”4人それぞれの歌唱法、ボーカルスタイルについて書いていく”と偉そうに書いたのですが、ジョージ&リンゴについてはメインボーカルをとっている楽曲が各アルバム数曲だけということもあり、”歌唱法”という括りではあまり語るべき事がないのですね。

もちろん2人ともビートルズ解散後にそれぞれソロ・アルバムを何枚も出しているのでそちらもチェックすればよいのですが、さすがにそこまで手が回らないのでここではビートルズ時代に絞り2人の立ち位置も含め書いてみたいと思います。

まずは歌唱について。ジョージは基本的には甘く柔らかい声ですね。声を張り上げることをせず、フワッと歌っている感じです。そしてリンゴ、こちらは独特の癒し系で聴く人を明るい気持ちにしてくれる声ですね・・・えーと以上です。。。

で歌唱法はさておき歌屋がこの2人について興味深く思うのは、この2人のグループ内における立ち位置、言い換えるとスタンス、役割、存在意義、みたいなものです。

よく”2:8の法則”と言われているものがあって、”売上の80%は20%の社員が稼いでいる”、さらには”10人集まったら優秀なのは2人、後の8名は普通の人(その中の2人は不要な人)”のように言われたりしますが、これをビートルズに当てはめるとどうなるでしょうか?

とにかくポール&ジョンというすば抜けた才能を持つ2人がグループ内にいる訳です。そこで生き残っていくにはどうしたらよいのか・・・これはまさに終身雇用制が崩壊した現代日本のサラリーマンにも繋がる問題、さてあなたならどうする?この状況を打破するためのヒントは、最後までビートルズとして生き残った2人の生き方に隠されていた・・・

と安いビジネス書のコピーみたいになってきましたが、実際ジョージ&リンゴのビートルズにおける立ち位置、そして本人たちの心情とはいかなるものだったのでしょうか。

まずリンゴについてはパートがドラムということで、グループの中で彼にしかできない技能を持ち、そこに存在価値を見いだせる訳ですね。もちろんその技能、リンゴの場合ドラムのテクニック、が中途半端なものであれば、ポール&ジョンが黙ってはいなかったでしょう。事実リンゴの前にいたドラムのピート・ベストはテクニック不足ということで解雇されています(性格が合わなかったなど諸説あり)。

問題なのはそうジョージ・ハリスン。ビートルズ解散後のジョージの活躍を見れば、彼に一アーティストとしてやっていけるだけの才能があったことは間違いなさそうですが、いかんせんビートルズというとんでもないグループにおいて、歌唱・ギターテクニック・作曲能力とも傑出したものを持たないジョージはどうやって生き残ったのか?

”歌唱法”とはまったく関係なくなってしまいましたが、この際ですので次回は”ジョージ・ハリスンの生き方”について書いてみます。

歌屋ボーカルスクール 
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