それでは実際に横隔膜を鍛えるための具体的な方法について説明していきます。

1つめは”リップロール”です。これは唇を閉じたままやや突き出し、その状態のまま息を一定に吐いていって唇を”ぷるぷるぷるぷるっ”というように震わせるものです。子供がよくふざけてやる要領です。これを一息でできるだけ長く続けるようにします。

最初は息だけで、慣れてきたら軽く声を出して行い、更に低い声や高い声、地声・裏声を取り混ぜ、低いところから一気に裏声の高音まで上がりそこからまた一気に下がるなど、自在に行えるようにします。

簡単なようですが腹式呼吸でしっかり息が吐けていないと意外に上手く続きません。よくこのリップロールが歌う前の準備運動のように紹介されるので、”口の周りの緊張を取るためのもの”と誤解されることがあるのですが、実は腹式呼吸で息を一定に吐くためのトレーニングなのです。

もう1つは”ドッグブレス”で、これは文字通り”犬の呼吸”です。犬が行う”ハッハッハッハッ”という呼吸の要領で、一つ一つの”ハッ”をお腹をグッと絞ってしっかり出すようにします。最初はゆっくりと、慣れてきたら少しずつ早くしていきます。

どちらも急にやるとめまいがしたり気分が悪くなったりすることもありますので、無理のない範囲で行うようにしてください。

また同様のトレーニングで有名なのがペットボトルを使うものですが、歌屋はあまりオススメしていません。これは効果の有る無しではなく、単純に道具を使うのはそれを準備するのが面倒だからです。空きペットボトルなどいくらでもありそうですが、意外と使おうとするときには無かったりしませんか?同じ理由で割り箸を使ったりするのも歌屋はパスです。

今回ご紹介した方法は道具を使わず声を出さないでもできるので自宅などで気軽に行っていただけます。ただ人に見られると少し恥ずかしいのでお風呂などでやるのもよいでしょう。くれぐれも夢中になってのぼせないようご注意くださいね。

歌屋ボーカルスクール
♪Singing songs changes your world.