”歌の中における腹式呼吸”=”腹式呼吸で歌う”上でもう一つ大切な点について説明していきます。それは、”ブレスのタイミング”です。

”あれ?ブレスのタイミングなら前々回にブレス位置の確認を行ったけど”と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、今回は更にシビアに一つのブレスのタイミングについての話になります。

ブレスのタイミングに関する原則は、”ブレスは次のフレーズの直前にごく短く行う”です。”愛のままで・・・”を例にとると、出だしのフレーズ”・・・たちはー△なにを・・・”の△でブレスを行ないますが、このブレスの際、直前の”はー”をしっかり伸ばし、なるべく次の”な”に近いところでブレスを行うよう意識します。

実際この”はー”の部分は1小節=4拍分の長さがありますが、結構多くの人が2拍伸ばして次の2拍分でゆっくり息を吸う、といった歌い方をしてるようです。曲中全てのブレスがこの調子ですと、ブツブツと歌が切れてしまい聞いている方も苦しくなってきます。

ここでは”はー”をしっかり3拍分伸ばすようにします。そのあと4拍目でブレス・・・といきたいところですが、4拍目前半ではまだ”はー”を伸ばした緊張感を保ったままにしておき、4拍目の後半0.5の部分でブレスを行ないます。

すごく細かい話のようですが、要するにしっかり伸ばしてやることを含め、”語尾を丁寧に扱う”というのが重要なのです。この語尾の処理が出来ているかどうかがプロとアマチュアの大きな差でもあります。

アマチュアでそれなりに歌が上手い人でも、語尾の一つ一つがちゃんと処理できていることはなかなかないようです。それに対して演歌系など歌唱力のあるプロは全ての語尾を完璧に処理していて、その処理の仕方(ビブラートや抜き方など)がその人の個性にもなっています。

ということで、まずは”語尾を丁寧に歌う”ことを意識するようにしてください。そうすれば自ずとブレスは上記で説明したやり方が必要となってくるでしょう。

歌屋ボーカルスクール
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